「口にしようのない嫌な思いってあるだろ」

「ある、ねぇ。」

「それだよ。別に不機嫌なわけじゃない」

「考え事?」

「そんなもんだ。だから俺に触るな近づくな話しかけるな笑いかけるな。」

「何か存在全否定された気ィする」

「気のせいだろ。だから近づくな」

「話が繋がってないと自分でも思わへん?」

「特に思わない」

「それ、世間では理不尽言うんやで」

「そうか。覚えた。そんで忘れた」

「都合ええ脳みそやわぁ」

「いいじゃねぇか。都合いい脳みそでも持ってねぇとこんな世界じゃ生きていけねぇ」

「生きてく、ねぇ。」

「アレ?死神の俺たちでも生きてるって言うのか?さっきの俺の言葉は矛盾してるのか?」

「さぁ、ボクに聞かんといて。わからんし」

「そうか。じゃあどっか行け」

「脈絡無いて言われへん?」

「特に言われない」

「ほんとに都合ええ脳みそやわぁ」

「言われたことは一字一句覚える男だぞ俺は。」

「じゃあ理不尽て言葉も覚えたんやないの」

「お前の吐く言葉だけは右から左へ流してる」

「あ、ボク泣いてええ?」

「きもいから隊舎から出て半径10キロ外で泣けな。」

「この場で泣く。そんで十番隊の隊長はエラい薄情で根性なしやて噂流す」

「根性なしは関係なくねぇか」

「ボクも都合ええ脳みそ持っとるんよ」

「斬って捨てていいか?」

「じゃあ糞尿垂らして泣いてええ?」

「俺は一向にかまわねぇぞ。後始末するのは吉良だし俺はお前の首撥ねるだけだし」

「あーもーホンマ容赦ないわぁこの子供」

「あーもーほんとうぜぇこの背高のっぽ」

「せやけど好き」

「あっそ」

「反応薄ー泣きたいー」

「泣いたら俺が四番隊までつれてってやるよ」

「頭の治療してもらえって?」

「珍しく賢明じゃねぇかお前にしては」

「ボク、君の罵倒だけは深く理解できるようになったんや」

「無駄な能力身についたな」

「すんごい苦々しい顔するのやめて」

「生まれつきだ、悪いな」

「検証してもらおか、雛森ちゃんつれてきて。生まれつきこんな顔ですかーって」

「否定はしねぇと思うぞ俺は」

「………」

「急に黙り込むなよ」

「好きや」

「脈絡ねぇって言われねぇかお前?」

「好き好き好き好き好きや。お望みなら何回でも言ったる」

「じゃあ1兆いくか」

「わかった。片時も君の傍から離れへんで」

「あ、間違えた。言わなくていい。できれば死んでほしい」

「ボクが死んだら悲しい?」

「また唐突だな。」

「な、悲しい?」

「さあ」

「ほんとのこと言って」

「今日のお前変だな。いつにも増して。」

「な、言って」

「………」

「黙りこまんといてや」

「悲しい寂しい恐ろしい怖い物悲しい末恐ろしい泣きたい俺を一人にしないでくれ」

「、」

「って言ったら満足か?」

「それほんとう?」

「餓鬼みてぇな瞳すんな」

「な、ほんとう?」

「知らねぇよ。好きなように解釈しろ」

「じゃあすきすきいちまるだいすきやて解釈する」

「できれば一番ネガティブに考えてくれ」

「ボクポジティブやから〜」

「お前叩き落したいどっかに」

「あ〜ああ幸せ」

「あ〜ああ不幸せ」

「………」

「………」

「できれば愛してるって言って?」

「愛してるだから死んでくれ。」

「な、今不機嫌?」

「………不機嫌じゃ、ない」